|ファンレポーター 扇風機オヂさん さん
扇風機オヂさん さんのプロフィール 2003年に韓国に語学留学し、当時の全本拠地を回りました。韓国以外には台湾、アメリカ、メキシコで観戦経験があります。沖縄キャンプ見学では、韓国の新聞記者に取材されたことも。韓国の野球用品についても少し知っているので紹介出来る機会があればと思います。
扇風機オヂさん さんの投稿記事
|私が思う、韓国プロ野球の魅力 2015.3.27 up
韓国プロ野球の魅力として、多くの人はパワフルな打撃を思い浮かべるのではないでしょうか。もちろんそれもありますが、個人的にはガッツあふれる積極的な走塁が魅力だと思います。
韓国はこれまでの国際大会でも走塁で結果を残してきました。俊足の選手が塁に出れば「走るぞ」というオーラを出してほぼ走ってくるという印象があります。そして盗塁の際には、中日でもプレーしたイ・ジョンボム選手(2011年限りで引退)がそうであったように、多くの選手がヘッドスライディングをしてきます。
そのイ・ジョンボム選手が中日に来る前の1995年、横浜スタジアムでの日韓スーパーゲームで斎藤隆投手の直球を頭に受けました。かなり痛そうな様子でしたがプレーを続行し、さらに次の打者の初球に盗塁を決めました。
韓国で1994年のイチロー選手のような成績を残し、日本のメディアに「韓国のイチロー」と紹介されたイ・ジョンボム選手。私がイ・ジョンボム選手に注目するきっかけとなったのがこのプレーでした。イ・ジョンボム選手をはじめとする韓国の選手は、盗塁以外でも果敢に次の塁を狙う積極的な走塁をする印象があります。しかし、暴走と好走塁は紙一重。タッチアウトになる場面や牽制死が多く見られるのもまた、韓国プロ野球の特徴だと思います。
韓国プロ野球のプレー以外の魅力としては、昭和の野球場を思わせる懐かしい雰囲気があります。最近の韓国の野球場は、新球場の完成や改修等できれいになり、若い女性ファンが増えたこともあって、そのような雰囲気は徐々に薄れてきていますが、ネクセンヒーローズの本拠地であるモクトン球場やサムソンライオンズの本拠地・テグ市民運動場は選手との距離も近く、まだ昭和の雰囲気が残っています。
積極的な走塁と球場の懐かしい雰囲気が魅力(写真:ストライク・ゾーン)
ここでテグ球場の魅力について紹介します。1948年に完成し住宅街の中にある球場は収容人員が10,000人と少なく、強豪かつスマホ等で有名なサムソンを親会社に持つ、大企業のイメージからすると大きなギャップがあります。試合後に三塁側の外で待っていれば選手のサインをもらう事ができるほど、選手とファンの距離が近いです。
テグ球場は試合中に停電したことがあり、また、オ・スンファン投手(現・阪神)が通算200セーブを達成した試合では、祝福の花火がスコアボードに引火するなど老朽化が進んでいます。そのため、来年からは新球場への移転が予定されています。
積極的な走塁と昭和のプロ野球のような懐かしさあふれる野球場。私にとってこれが韓国プロ野球の魅力だと思います。
・投稿記事の内容はファンレポーター独自の考えにおまかせしています。
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◆参考項目 ・サムソン ライオンズ紹介 ・テグ球場写真集(ストライク・ゾーンFBページ)
★韓国プロ野球のことがもっと知りたくなったら、2004年から毎年発行、 今年で12年目の 『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(編著者
室井昌也/韓国野球委員会承認) をどうぞ!2015年版は全国有名書店などで4月下旬発売です。 |