|ファンレポーター しばざき さん
しばざき さんのプロフィール 『野球をやっている国の言語』という理由から、大学時代に第二外国語で韓国語を選択。以来、仕事も結婚も野球も韓国と深く関わっています。ひいきチームはトゥサンベアーズ。将来の夢は『定年後にトゥサンの年間指定席を購入すること』です。大阪府吹田市出身。右投右打。
しばざき さんの投稿記事
|今年のトゥサンは期待できるか? 2015.3.23 up
今まで、トゥサンベアーズファンにとってのFAとは、『主力選手を他球団に取られていくだけの制度』でしたが、このオフは、驚くことに4年84億ウォン*もの大金で、ロッテジャイアンツからチャン・ウォンジュン投手を獲得しました。
2014年のチーム総年俸(新人と外国人選手を除く)が52億ウォン弱だったことを考えると、トゥサンらしからぬ破格の待遇ともいえるでしょう。先発ローテーションは、ドスティン・ニポトゥ(ダスティン・ニッパート)投手、チャン・ウォンジュン投手、ユニエスキ・マヤ投手、ユ・ヒグァン投手、イ・ヒョンスン投手(または他の投手)で構成されることとなり、6位のチームが一気に優勝候補になったという声も聞こえるくらい、ファンの期待値は高まりました。
しかし、華やかな補強の影で、昨シーズンのクローザーであったイ・ヨンチャン投手やホン・サンサム投手の軍入隊により手薄になったリリーフ陣は、さらに不安が大きくなりました。ここ数年、2次ドラフトや新球団特別指名で使えるリリーフ投手が抜けた上に、今回のFAの人的補償により、計算できるベテランであるチョン・ジェフン投手を失った影響も少なくないでしょう。
クローザー候補だったノ・ギョンウン投手はキャンプ中に打球を顎に受けて負傷、昨年はセットアップで活躍したユン・ミョンジュン投手も勤続疲労で腕の状態が良くないとも伝えられています。既存の若手投手と軍隊帰りの投手でやりくりすることになりますが、経験不足は否めません。
トゥサンベアーズの本拠地、ソウルのチャムシル球場(写真:ストライク・ゾーン)
一方の打線は、昨季3割18本のホルヘ・カントゥ選手に代わる新外国人ザック・ラッツ選手が入った以外は、顔ぶれに大きな変化はありません。ラッツ選手は主に三塁で起用される見込みで、一塁には一発長打のあるキム・ジェファン選手が起用されるケースも増えるでしょう。ホ・ギョンミン選手、チェ・ジュファン選手、オ・ジェイル選手といった内野のバックアップ陣の層も厚く、昨年よりも多彩なラインナップが組めるでしょう。
外野手は、レフトはキム・ヒョンス選手、センターはチョン・スビン選手、ライトはミン・ビョンホン選手で磐石ですが、近い将来、キム・ヒョンス選手のFA移籍やチョン・スビン選手の軍入隊の可能性がありますので、今季は控え外野手の育成も課題となります。
昨年、ポストシーズン進出を逃した要因として、ネクセンヒーローズに4勝12敗と大きく負け越したことが挙げられます。順位を上げる為には、まずは、強力打線を誇るネクセンを相手に何とか五分に持ち込むことが必要です。その上で、下位球団にはしっかりと勝ち越していかなければなりません。
元々、エースのニポトゥ投手が4連覇中のサムソンライオンズに相性が良いことから、昨年もサムソン戦は10勝6敗と勝ち越しています。決して下位を低迷する戦力ではないはずです。今季は、トゥサンらしい粘りの野球で、上位進出を目指してもらいたいと思います。
※1ウォン=約0.11円
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・投稿記事の内容はファンレポーター独自の考えにおまかせしています。
※外国人選手の名前はハングル読みを基本にし、( )内にカタカナ読みを併記しています。なお、NPB在籍経験のある選手に関しては、NPB登録時の選手名を掲載しています。
◆参考項目 ・トゥサン ベアーズ紹介
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